過ち

どうも嫌な印象がありまして、もう一度だけ
書いてみようかという気になりました大相撲の騒動。


今回、日本社会が、どうもとんでもない過ちを
犯そうとしているように感じられてなりません。


印象ではなく、事実だけを追っていきますと、
どうしても、この事件が刑事事件にまで
発展した理由は、貴乃花親方の「思い込み」
なのではないかという結論にしか、
ならないものですから。


何しろ、今、巷で実しやかに囁かれている、
モンゴルの力士たちの「悪行」は、「憶測」と
「印象」以外は、ほぼ事実が見当たらないのですね。


ですから、今回の「暴行事件」を含めて、
モンゴル人力士たちの八百長も、悪行も、
貴乃花親方が「そうである」と思い込んだ
想像であって、それが一連の「報道」を
通して、あたかも隠蔽された真実であるかのように
人々の印象の中にも定着してしまった、というのが、
これまでの出来事や、該当人物たちの過去の
行動と経歴を比較して得た、個人的な結論です。


ここでは以前も何度も書いていますが、
意思の強い人の思い込みの力には、
周囲を巻き込む力があるものですから。


現在、人々の想像する「隠蔽された事実」そのものが、
実は、一人の人物の頭の中で作り上げられたものとすると、
当然、確証も証拠となるものもあるはずはありません。
ですから、隠蔽ではなく、そもそも、そんなものは、
現実には存在しないのではないかと思うのです。


単純な事実だけを追っていくと、
協会が、これまで「野放し」にしてきたのは
白鵬ではなく、貴乃花親方なのではないかと
思えてなりません。


単純に過去の行動だけを追っていくと、
やりたい放題なのは、白鵬やモンゴル人力士
ではなく、貴乃花部屋なのではないかと
思えてなりません。


古い悪しき仕来りや、親方による支配、
真実の隠蔽が、理想論の下に行われているのは、
実は、どこよりも貴乃花部屋なのではないかと
思えてなりません。


数少なかった格上の先輩方と良い関係を築き、引き立てても
もらってきた一方で、目下の諸先輩に対しては、例え、
どんな身勝手をし、礼を失する態度をとってきたとしても、
おそらくは、その振る舞いを強く咎めることが出来る
格下の「先輩親方」は、いなかったのではないでしょうか。


千代の富士北の湖亡き後、貴乃花親方よりも
現役時代に「格上」だった親方は、協会には
誰もいないのです。



「元大横綱」である親方に、真っ向から
意見をぶつけることが(心情的に)可能なのは、
実のところ、相撲協会の中では、現在、
現役力士とはいえ、白鵬しかいないのでしょうから。


そういったところに、今回の事件の多くの部分の
真相が隠れている気がします。


「相撲界の伝統を破壊し乗っ取ろうとするもの」と、
「伝統を守り、かつ、発展させようとするもの」の
構図は、実は、現在一般に信じられていることとは
真逆なのかもしれません。



相撲協会は、世論を忖度することなど考えず、
あくまで事実に基づいた判断を、毅然と
下すべき時と感じます。


また、決まりごとを頑なに無視し続ける親方に
いい加減にしろと匙を投げ、不貞腐れて
やりたい放題を黙認・放置するのではなく、
もっと貴ノ岩の安否を深刻に捉え、
迅速に、かつ淡々と動かなければならない
ように感じられてなりません。


色々なことが遅すぎになる前に、本当は
協会は、あらゆる手段を使って
貴ノ岩の身の安全を確保すべき時では
ないでしょうか。現在の状態は
異常と呼んでいいもののように感じます。


また、遅すぎになる前に、貴ノ岩本人の証言と意思を
やはりきちんと得るべき、と思えてなりません。
日本で、印象に流され、正当でない理由で
人が裁かれることがあってはいけないと思うのです。
例え世間が信じなくても、無いものは無いのですから。
そこの真実は、決して妥協し曲げてはいけない部分です。


そして、そこをはっきりさせることが、貴乃花親方自身の
ためと思えてなりません。相撲しか知らず、相撲のために、
知らぬ間に道を踏み外してしまったかもしれない人物を、
相撲協会が救わなくて、いったい誰が救うのでしょう?


治療が必要なのは、弟子ではなく
親方であるのかもしれませんし、
始まりは純粋であった信念を
相撲協会そのものを陥れたい第三者
利用されてしまっているのかもしれません。


そして、多くの日本人は、親方を応援している
つもりが、実は親方を利用している、愛国心
伝統、品格、日本人の誇りなど、どうとも思っていない
三者の思惑通りに動かされているだけかもしれません。


もしかすると、事態は、協会が考えているよりも、もっと
ずっと深刻なのではないかという印象があります。


どうか、色々なものごとが、真っ当に
収束していきますようにと祈りつつ。



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