演者間の空気

舞台上に観る楽しみと言いますか、喜びの一つに、
演者同士の「掛け合いの妙」とでも呼ぶべきものがあります。


どのようなものかと言いますと、「共同作業の美」で、
感性と技術と表現とを共有している者たちが生み出す、
演者独特の「通じ合っている」空気のことなのですね。
「阿吽の呼吸」のもっと上を行く感じでしょうか。


例えば、チームスポーツで見事な連係プレイが成功して、
結果を出すのを見ると、ふと感動したりしませんか?
あの感じに似ているかと思います。



実は、舞台を作る基本構造というのは、芸術活動というよりも、
むしろチームスポーツに近い、と考えています。
シェイクスピア役者などは、「哲学者」の頭と
「サッカー選手」の意識・身体能力を持った人々、と
呼ばれることもあるのですね。)


サッカーなどを観る方は、よくご存じかと思いますが、
試合で良い結果を残すために、大切なのが、
選手の目的意識・哲学・価値観の共有などと言われますね。
仲間同士の意思の疎通に関わってきて
試合の出来栄えを直接左右してしまいますから、
「共同作業の美」は、チームスポーツには欠かせないようです。



舞台役者チームも一緒なわけです。


例えば、二人で演じる場面があったとします。
いくら一人が素晴らしい演技をしていても、
相手方に、それを受け止め、応える能力と心構えがなければ
その演技はただ無駄に消え去ってしまいますでしょう。


一方、二人の役者が同じ目的意識を持って演技をしていると、
その場面は、恐ろしいほど素晴らしいものに昇華されることがあります。
まさに「共同作業の美」が、舞台の出来栄えを左右する訳ですね。


そうなりますと、脚本家が表現したかった物語の内容が
きちんと表現されて観客に伝わったときに起こるとても文学的な感動と、
舞台上に繰り広がる、職人役者同士の関係性の美しさを見たときに起こる
上質のスポーツを見るような感動があいまって、
ため息のでるような作品が出来上がるわけです。


まさに、共同作業の美、恐るべし、です。



それでですね、相変わらずの話題です。


そういう共同作業の美も、個人的に、V6の演技に見ている訳ですが、
演者間に漂う空気の美しさが、際立つのではないかしらと
ごく勝手に想像している(笑)デュエットの組み合わせと、
それぞれのテーマが、実はあったりして……。



坂本さんと森田さんの組み合わせで、
ストーリー性のある、渋い、ドラマティックな歌を。
踊りは勿論のこと、とにかくこの二人の組み合わせは、
物語と空間とを、やけに美しく表現してくれそうで、
想像しただけで、ゾクゾクしてしまいます。


長野さんと三宅さんで、突き抜けた、とことんきれいな明るい曲を。
この二人の組み合わせでは、音と空気感の妙が生まれそうですよね。
スローともアップテンポともつかないような、
明るい中に少しメランコリックな要素もあるような、透明感のある、
不思議な曲を、二人で演じているのが観てみたいのです。


井ノ原さんと岡田さんの組み合わせでは、言葉遊びの愉快な歌と、
パントマイム的なコメディが観てみたいのですね。
もしかして意外に思われる方も多いかもしれませんが、
この組み合わせでの喜劇、きっと底抜けに面白いと思うのですよね。



具体的な例は、皆さんの想像を邪魔しないよう、
書くのを差し控えますが、どうでしょうか?
なんだか、想像するだけで素敵な感じはしませんでしょうか?



……と、今回も、マニアックな視点からV6を楽しむ、
という内容でお届けいたしました(笑)が、
「この組み合わせなら、以前、こんな曲でやっていた」
というものがありましたら、ぜひ教えて下さい(笑)。
ぜひ、見てみたいのです。


ところで、近頃、なんて文章が長いのでしょうか。
マニアック過ぎるのかしら。ごめんなさい……。



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