心に響く歌

仕事の都合で先月末から東京を離れ、約10日間、ほぼ
TV、インターネット、新聞へのアクセスが無いまま過ごしました。
数日前に帰宅し、再びニュースを見て、様々な事が
何も進展していないことに、本当に驚いてしまいました。


原発問題も含め、復興や支援への具体的な対策は、
現実的に前進してはいないようですよね。
10日間というのは、短いようで長い時間です。何かを始めれば、
形が見え始めるようになるのに十分な時間。それだけの時間が過ぎ、
今も二週間前と変わらない状況が繰り広げられていることに、
そして、その異常事態にどこか慣れてきた感があることに、
不安を通りこして、不気味さを感じました。


何度も書いていますので、長々とは繰り返しませんが、
なぜTVなどのメディアがもっと端的に、
現政府の機能不全の危険性を指摘しないのか不思議でなりません。
全てを上手く統括し、的確に指示を出していくトップがいなければ、
折角の人々の善意すら無駄になってしまいかねません。
ですから、まず司令塔である政府を変えることが、
何よりも被災地、そして日本の為になるように思うのです。


そして、その政府を選ぶ力を持っているのが、国民なのですよね。
主要メディアが心を入れ替えて、積極的にそういう事を訴え、
結果、政府が代われば、それに付随して様々な事が大きく変わるはず。
過去の出来事への批判や、体制の不備への責任追及はそれからの話です。
以前も書きましたが、今は、現在を形作った過去よりも、
未来に続く現在を見つめることが大切と思います。


なんとなく「一つになろう」や「助け合おう」ではなく、一人一人が、
具体的で大きな変化を生み出そうという意識を持って行動することが、
真の個の力だと信じます。10日間というのは、本来、
そういう変化すら起こってしまえる時間とは思いませんか?
一人一人に出来ることを、小さな自己満足レベルで終わらせず、
なにか本当に大きな変化を生み出す方向にも使っていきたいですよね。


前置きが長くなってしまいましたね……。



今回のテーマは「心に響く歌」です。


で、少し、テーマから外れているように感じるかもしれませんが、
まず英語歌とその訳詞についてを少し書きますね。



実は、日本で有名な歌の、原曲の英語歌詞が、まったく印象が違う、
という事があるのですよね。分かりやすい例が、「マイ・ウェイ
と思います。最も有名な日本語詞のざっくりしたイメージは、
「私は、自分で決めた道を歩んできた。君も、君の心のままに進みなさい」
という感じでしょうか。


が、この原曲「My Way」の英語歌詞は、随分印象が異なります。
ご存じの方も多いと思いますが、これは、元々フランク・シナトラの為に
書かれた歌詞で、簡単にイメージをまとめますと



   この人生を振り返ってこれだけは言える。
   俺は、俺のやり方で生きてきた。
   世間の目や常識などには目もくれないで、
   この身体で全てを試し、全てを受けて立ち、
   何があっても屈することなく、
   いつでも自分というものを失わずに。
   それが俺の生き様だった、と。



といったところでしょうか。英語原版は、誰よりも「大きな」人生を歩んできた者の、自信といいますか、自負といいますか、
誇りに満ちた尊大な歌詞で、これを厭味なく歌えるのは、
自他共に認める「大スター」のみと思います。
日本語版とは、随分印象が違いますでしょう?


日本語訳に使われている言葉を見ると、確かに原詞を訳しているのですが、
言葉が持つ意味の抜粋の仕方で、出来あがったもののイメージが、
原曲とは随分異なるものになっているのですね。
もちろん、日本語版は、それとして良い歌詞なのですけれど……。




さて、同様に、日本では原曲と異なるイメージが定着している、
と感じる歌が「You Raise Me Up」です。
有名な日本語版があるわけではありませんが、
タイトルにそういう印象があるのか、「育ててくれてありがとう」
という感謝の歌と捉えている人が多いように思います。


が、これは、実は、もっともっと「大きな」歌です。
作詞は、アイルランドの作家。英国では、ポピュラーですが、
AnthemやHymn という歌の部類に入る、
言ってしまえば現代版の聖歌、信仰歌なのですね。


とはいえ、歌詞を見ますと、God(神)やLord(主)という言葉が
使われてはおらず、きれいに曖昧に表現されていますので、
個人的には、宗教色の薄い賛歌のように感じます。
内容は、ざっくりと言いますと



   疲れ果て、困難に打ちひしがれた時、
   静寂の中で、あなたの息吹を感じると、
   この心は奮い立ち、力が湧き起こってくる。
   そうして、この両足にある力を超えて、
   もっと強く、力強く、私は立ちあがることができる。



という感じでしょうか。「あなた」は「You」で表現されています。
これを日本に当てはめますと、日本は自然信仰の国ですから、
このYouは自然神と言う事になると思います。
日本という土地の風土でもかまいません。自然の息吹を感じ、
活力を得るということは、きっと日本人が古来やってきたことですよね。
ですから、とても日本人に受け入れられやすい内容の歌詞だと思います。



で、実は、これを、「知りたくないの」の名訳で知られる、
なかにし礼氏の訳詞で、今、聴きたいと思ってしまうのですよね。



ここで、地味にテーマに戻りますが、これは決して華やかではないけれど、
本当の意味で、本当に心に響く歌になると思うのです。そして、
例え地味に発表したとしても、地味にじわじわと広がっていきそうな曲。
特に、今の日本には必要とされるような曲だと思うのです。


が、これはとても力のある歌。本当に実力ある人が歌うべき曲です。
かといって、クラシック歌手が歌うのでは、伝わりやすさに欠ける。



と、言う事で、個人的に、この歌を今、一番歌って欲しいのが、
……この裏ブログをずっと読んで下さっている方には、
もうおわかりですよね。Players一押しの実力派アイドル、彼らです。
グループ名は言わずもがな。心に響く歌が歌える人たちと思うのです。


「WAになっておどろう」も、あっけらかんとした温かみのある、
楽観的な前向きな歌で、心にじわりと響きます。



皆さんは、どう思われますか……?




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