……「12ヶ月」?

目標は週一回更新ですが、中々目標を達成出来ないこの頃です……。


いつの間にか街はクリスマスの雰囲気になり、恐ろしいことに
年の瀬も近づきつつありますが、皆さんはいかがお過ごしですか?



と、言う訳(?)で、あまりに時間が経ち過ぎた感もありますが(苦笑)、
前回に引き続き、先月観劇した、東京グローブ座の公演についてです。


演目は、「Lovely Baby」。お洒落な雰囲気の不思議に大人びた作品でした。
Harold Pinterという英国の劇作家がいますが、その人の作品を
思い起こさせる部分もあり、上手いなあ、と感心しきりの観劇になりました。


様々な意味で子供じみた娯楽が主流の現代日本で、こういう
若く大人びた娯楽(?)はとても貴重なのではないかしら、と思ってしまう程。



見に行かれた方はご存知と思いますが、同性愛という捻りのある設定を使い、
ごくシンプルな事を、ごくストレイトに表現しているお芝居なのですね。
が、話の進め方が巧みで、現実と非現実とを、色々な意味で上手く
組み合わせ、見る側の「??」を、上手にストーリーの中に組み込みつつ
観客を引っ張って行ってくれるのです。


しかも、感情に走り過ぎない知的な演出で、安心してお話の中に
引き込まれていくことが出来ました。何と言いますか、作り手側が客観的で、
見る側に「引き込まれる」余地を残してくれている、という感じ。


それから、何気ない日常会話が、きれいに台詞に昇華されているのですね。
言葉の選び方が上手なのだろうなあ、と、その点でも感心しきり。
役者さんたちも、それをさり気なく演じていて、素敵でした。


脚本と演出はまだ若い方のようなのですが、才能に敬意を表しつつ、
機会があれば、別の作品も見てみたいと思いながら、帰路につきました。



と、ここまでが全体の感想です。



で、ですね。
今回のお芝居は、グローブ座に行ってみたかったのと同時に、
主演の三宅さんがどんな演技をするのかが見てみたくて、
チケットを予約したのですよね。すっかりV6ファンです(笑)。
ですので、その三宅さんについても、少し書かせて下さい。



三宅さんの演じるのを見るのは初めてでしたが、森田さんとはまた
異なるタイプでとても興味深かったです。勿論、たった一回観客として
見ただけで、何が分かるという訳でもありませんが、今回の作品を見た限り、
多分感覚で演じるタイプ、と、個人的にはオリヴィエ型と呼んでいます(笑)。
ちなみに、森田さんはどちらかと言うとギルグード型、という分類。



「……何の事?」という声が聞こえてきそうですが、オリヴィエ
というのは、有名な英国人役者、ローレンス・オリヴィエのことです。
日本でも人気のある映画「風と共に去りぬ」の主役スカーレットを演じた
ヴィヴィアン・リーが、このオリヴィエの奥さんだったのですが、
へえ、と思う方がいるかしら……。


さらに、ギルグードというのは、同じく英国の高名なシェイクスピア役者
ジョン・ギルグードのことです。こちらは、日本ではあまり知られて
いませんが、英国では伝説の名優。ことシェイクスピアに関しては、
今も神と呼ばれるくらいの偉大な俳優です。



どちらも優れた役者で、数々の名作に出演しましたが、主に
オリヴィエは映画、ギルグードは舞台で名を残しています。


で、一般にオリヴィエは感覚的に役を演じきる事ができた役者と言われ、
一方、ギルグードは、知的・技巧的な名優と言われることがあるのですね。
勿論、どちらも、感覚的にも知的にも優れていたはずですが、
双方の演技の第一印象から、そんなふうに評されることがあります。



で、三宅さんは、役柄や台詞の「解釈」や表現技術云々よりも、
まずは感覚的に役に「なり切る」ことが出来るタイプではないかしら、と
感じたのですね。故に、「オリヴィエ型」という訳。今回も、見ていて、
力技で演技に引き込まれてしまった時がありました(笑)。



が、今回のお話では、キャラクターそのものが「三宅さん」から遠くない
ように感じ、個人的には、本人の為に書かれた役ではない(多分)、
もっと違った役どころを演じるのを見てみたい気がしています。
自分+αを演じるのでは、せっかくの「なり切れる感覚」の
活躍の場が限られ、もったいないですもの。
(……それにしても「もったいない」はV6の人々が出演する舞台を
観劇する際のキーワードなのかしら……。)



平家物語あたりにはまり役がありそうで、ぱっと思いついたのは
なぜか「敦盛」です。「敦盛の最期」の話を引き延ばして舞台化したら、
素敵なものが出来そうですよね。さすがの三宅さんも16,7歳の役は
厳しいかしら、という気もしますが、イメージは合うように思うのですね。


他には、チェーホフ「かもめ」のコスチャなどが頭に浮かびます。


(そういえば、洋の東西を問わず、Period Drama=時代劇的なものや
古典が合う気がするのはなぜでしょう。意外に(失礼!)演技に
品があるからなのかしら……。)


そういえば、次の大河ドラマは、平清盛なのでしたっけ。森田さんが
出演されるのでしたよね。……三宅さんも出ないかしら。TVドラマは
殆ど見ませんが、この二人がそろって真面目な役を演じるのを見る
機会があるのなら、気合いを入れて見てしまうこと間違いなし(笑)。



……と、頭に浮かぶことをつらつらと書きなぐってしまいましたが、
単なる感想文(願望文?)になってきましたので、そろそろ自重します。



最後に、今回のタイトル「12ケ月」?について説明を……。
昨年発売されたV6のCDに収録されている曲の題名ですが、
実は、「Lovely Baby」を見てですね、もしかしてこの曲から
イメージを膨らませた作品なのかしら、と思った瞬間があったのですね。
で、実際のところはどうなのかしら、と書きながらふと考えたので、
うっかりタイトルにしてしまったわけです(笑)。



……今回、いつにも増してまとまりがなくてごめんなさい!



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