不条理な障害

寒さ好きには、嬉しい季節になりました。(そんな人は少ないかしら(笑)。)


気づけば、前回更新から随分(一カ月以上!)経っていて、
驚き慌てているところ。いやまだ二週間位のはず、と心の中で
訝しがっています。が、妊娠の報告を受けたばかり、のはずの友人から、
つい先日、無事出産の知らせを貰い、そんなに時が流れていたのね、
と妙に納得(苦笑)。


……と、このように2012年もあっという間に終わってしまいそう
な師走の折ですが(笑)、皆さんはいかがお過ごしですか?



さて、11月には、政治に大きな変化がありましたね。
衆議院も解散して、今月はいよいよ総選挙。今度こそ、まっとうな
選挙になるのかしら、と興味深く観察しています。


以前、オリンピックの時に、「選手は、群衆が生みだす異様な空気との
かけひきに、まず勝たなければならないのが大変」というような
ことを書きましたが、選挙も、それと似ているのでしょうね。



TV・新聞報道なども加わってイメージ争いが過熱してしまうと、
社会全体が、何だか訳の分からない熱に浮かされたような状態になって、
人々の感覚が一時的におかしくなってしまうことがあるのですよね。
だからまっとうな政治家は、まずは空気がおかしな方向に向かわないよう
腐心しなければならないのだと思います。……ああ、大変。


もうさすがに、イメージや、美辞麗句、「識者」の見解で、ケロリと
騙されてしまうほど、日本の有権者は愚かではないと思うのですが、
何しろ、昨今の「民意」ほど流動的で不確かなものはないのですよね。


政治素人から、まっとうな政治家へと政治の担い手を戻すことが、
今回の選挙の根本的な目的と、個人的には思っていますが、
それがきちんと達成されますように、ともかく、
選挙が無事に良識的に終わりますように、と
もう神頼みにも近い気持ち(笑)で祈るこの頃です。


これ以上、この国がこ馬鹿にされる海外のニュースを聞くのは
もう本当に、本当に嫌。被災地が、手つかずのまま
放置され続けるのも嫌。やはり、きちんとした政治家に
きちんとした政治を行ってもらいたいのです。


皆さんは、いかがでしょうか……?



と、政治の話題ついでに、もう少し続けてしまいますが、
(……ちなみに、かなり感覚的な、ざっくりした内容に
なりそうですので、あらかじめお断りを(笑)……)
実はですね、今回の選挙の様子を漠然と眺めていて、何となく
気になったのが、人々の対立関係の堂々巡りの構造です。


ええとですね、詳細はきっぱり無視しざっくり説明しますと、
頭の良すぎる人は、あまりそうではない人を相手に話をする時、
イライラして、見下してしまうことがありますね。


で、あまり頭の良くない人には自尊心が高い人が多く、プライドを
傷つけられると感情的になって、もう後はひたすらその頭の良い人を
忌み嫌うようになる、気がします。


さらに、頭の良すぎる人は真面目な人が多く、言いがかりをつけられると、
真面目に真正面から対応し論破しようとするのですね。
で、理論整然としていない感情論に、理論整然と応じようとする、と。


で、感情に理性で対応すると、やはり軽蔑が出てきて、その蔑みを
感じ取った相手はさらに感情的になり…と、結局マイナス方向に堂々巡り。


近頃、思うのですけれど、案外こんなことも、現在の日本の政治が
感情に振り回されてしまっている一因なのではないかしら。
(勿論、そんなに単純ではないけれど。)


しかも、この堂々巡りで、自らを疲弊させてしまうのは、
思考能力の高い方(頭の良すぎる人の方)だと思うのですね。
感情的に喚いているだけなら、あまり疲れませんもの。
何と言いますか、能力の高い技術者が、かけっこ競争で
体力を無駄に消耗してしまっている感じ。もったいない話です。



ので、頭の良い人々は、相手の無知に呆れて真っ直に蔑みたい所を、
さらりと流して、ケロリと柔らかく相手を諭すような対応に変えると、
もしかして、下らない敵が少なくなり、本当に厳しく対すべき相手に、
より厳しく対応できるようになる気がしますが、甘いかしら。


でも、自分の理解能力と同等の能力を、単純に相手が持っていない
だけだと認識すると、色々なことに腹が立たなくなる、と思うのですね。
で、腹が立たなくなると、余裕が生れてしなやかに力強くなり、
攻撃的な自己防衛の必要がなくなって、三流の敵が減る、気がします。


……ああ、我ながら何て感覚的で分かりにくい三段論法(笑)。
姉に散々、お前は日本語の説明が下手ですね、と馬鹿にされていますが、
近頃、その自覚が芽生えてまいりました(笑)。



ので、さっさと引用に逃げてしまおうと思います。ええとですね、
「Henry the Eighth ヘンリー八世」に、こんな言葉がでてきます:



  Mark but my fall, and that that ruined me:
  Cromwell, I charge thee, fling away ambition:
  By that sin fell the angels: how can man then,
  The image of his maker, hope to win by it?
  Love thyself last: cherish those hearts that hate thee:
  Corruption wins not more than honesty.
  Still in thy right hand carry gentle peace
  To silence envious tongues. Be just, and fear not:
  Let all the ends thou aim’st at be thy country’s,
  Thy God’s, and truth’s. Then if thou fall’st, O Cromwell,
  Thou fall’st a blessed martyr.


  (ざっくりとした意訳:
  私の凋落から学べ、この身を破滅に導いたものが何かを:
  クロムウェル、心せよ、野心を振るい捨てるがよい:
  その罪で、天使ですら堕ちたのだ:どうして人間が、
  天上の者たちの影にすぎない我々が、それ(野心)をもって繁栄できよう?
  己が身を愛するのは最後であれ:己を憎む者たちを慈しむのだ:
  汚職の手が、誠実の心以上にものごとを勝ちうることはない。
  常にその手に穏やかな平和を掲げ
  嫉妬に満ちた口を黙らせるのだ。公平であれ、そして恐れるな:
  なにごとも、あらゆる行動は、国の、信心の、そして
  真実の為に行うがよい。そうすれば、クロムウェルよ、もし失脚しても、
  お前は祝福された殉職者として去ることになるのだ。)
                 <シェイクスピア ヘンリー8世より>



生涯、私欲を満たす事に終始し、嘘に塗れて栄華を極めた枢機卿が、
ついに破滅の時を迎えた時、自らの側近 Cromwell に残した忠告です。


自らの信念と行動が、私欲を満たす為でなく、まっとうな公益の為のもの
と自覚している限り、抗争相手ですら慈しむ余裕を持って
ひたすら堂々と穏やかに構えていれば良いのですよね。
そうすれば、下らない障害は自然と減っていくのではないかしら。


頭の良い政治家の方々、こんな感じで一つ、理不尽な攻撃を
上手く受け流し、したたかに、胡散臭い「世論」も味方につけて
安定政権を打ち立て、必要な改革を進めていってくれないかしら。



……何だか、何が書きたかったのか分からなくなってきました(笑)
とにかく、次の政権は、きちんとした政治家の手による、安定した
長期政権になってほしい訳でして、その為にも、なるべく理不尽な
障害が少なくなってほしい、とごく地味に切実に願っているのですね。
ので、ついつい、こんな事をつらつらと書き綴ってしまいます。


しかしですね、今回、書き続けると益々訳が分からなく
なりそうなので、この辺りですっぱり止めておきます(苦笑)。
相変わらずの駄文で、ごめんなさい!



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