状況

今年も始まったばかりと思っていましたが、もう如月も終わり。
閏日を残すばかりとなりました。まだまだ寒くはありますが、
春が近いな、と感じることも多くなった気がします。


今年は、個人的に、物事が前に進んで行く年のようで、
もう3月かと慌てて状況を振り返りましたら、意外に
色々順調に片付いていることに気づいて、拍子抜け。


久しぶりの順調さに、若干戸惑い気味のこの頃ですが(笑)、
皆さんはいかがお過ごしでしょうか?



さて、そんな(?)中、近頃どうしても気になるのが、
前回のテーマでも書いた香川選手。個人的に、今、
最も興味深い状況下にある、と考えている人物です。
勿論、ネット上の情報を眺めているだけですけれど(苦笑)。


という訳でですね、せっかくなので、再び状況解釈の
結果などを認めてみようと思います。



では早速……。



香川選手、前回の試合後、目立った活躍が出来なかったと
地元紙の評価も低く、色々と批判的に書かれているのも
目にしましたが、個人的には、試合での動き方と、
その後の本人の発言とを見る限り、事態は大きく
好転しているように感じられてならないのですよね。


現在の状況を言葉にするならば、「産みの苦しみ」あたりが
的確であるような気がします。誕生が近い、と。



これは単なる個人的な感覚の話で、全く根拠はないのですが、
現在、クラブチーム監督の理想とするもの(少なくとも、
幾つかある内の重要な理想形の一つ)を最も理解し、
それを体現しようとしているのが香川選手で、その事を、
監督も理解しているような印象を、個人的には受けています。
外からは伺い知ることができないレベルで、
実は、案外きちんと意思の疎通が図れている感じ。


序列が下がった、構想外、などと囁かれがちですが
本当は真逆で、今は、監督にチーム内で最も
重要視されている選手のような気もします。
もしかすると、そもそも最重要視されているが故の、
これまでの騒動なのかもしれませんし。



で、同選手が現在危惧しているのは、当面、あまりに
監督が自らの理想を、こと細かく選手に指示しすぎ、
また色々急に試しすぎているので、チーム全体が戸惑い
ネガティブになり、不満が増え、全てが悪循環に
陥ってしまっていること、なのではないかしらね。


自分が、何とか試合の中で状況を打開できればいいけれど、
それには選手間のイメージと意思の共有が必要で、でも
なかなか自分が理解する監督の理想形を、試合の中で周囲に
伝えきれず、また皆もそれを感じ取る余裕がないので、
どうしても色々上手くいかず、かつ、とにかく強引にでも
状況を打破できず消化不良気味の自分も苛立たしく、
結果、総じて色々もどかしい、のではないかしら。


ここ最近、負けてはいないのだから、そこは選手自身も
自信を持って、試合中は、監督の指示する「形」を
守りながら、互いに意思疎通を図りつつ、もっと柔軟に
プレイをすればきっと上手くいく、と感じているけれども
どうも皆ネガティブに疑心暗鬼になっていて、自由な意思の
疎通が図れない、と。だから、もっと皆余裕を持っていい、と。
そういう状況下では、自分の良さも発揮しにくいけれど、
監督の指示の大筋を守りつつ、もっともっと自分で
的確に判断してやっていかなければいけない、と。


かつ、メディアやファンも、今、内容が伴っていなくても、
新しいことを根付かせるには時間がいるのだから、
そんな試行錯誤の中でも負けていないことを、とりあえず
もっと評価してほしい、もう少し待ってほしい、と思っている、
ような気がしますが、実際のところはどうなのかしら。


真意が何であっても、きっと感覚で理解しているだろうことを、
言葉で表現するのは難しいのかなと想像しますし(苦笑)、
それを色々叩かれてしまうのであれば、気の毒にも感じます。



そんな香川選手に、明確によろしくない部分があるとすると、
「自分がみんな(監督含む)の為にならなければ」という意識が
強すぎるきらいがあるように見えることかしら。
それが、巡り巡って、一瞬の判断の鈍さや
迷いにつながっている、ように個人的には感じます。


さらには、今自分が求められているような活躍をすることが、
他の選手の活躍の場を奪い、全体のバランス(人間関係含む)
を崩さないかと、どこか怖がっている感じ(多分ね)。
故に、決定的な場面でのミスにつながっている、と。
結果を出さなければ、という焦りもあるとは思うのだけれど。



ともかく、自分「が」皆のために、何かをしなければいけない、
という強迫観念が、香川選手自身の首を絞めている、
ように思えてなりません。が、実際は、他の選手たち「も」、
香川選手の為に何かをしたいと感じているのではないかと
思うのだけれど、いかがなものかしら。


ですから、周囲が自分を助けようとしている事実を
心と目を開いて受け止めればですね、物事が上手く
回り始める気がします。例えば、ある選手と突然
深いレベルで意思の疎通が図れるようになったり、ね。


で、一人が香川選手の理解を理解すれば、2人の理解を
肌で感じ取ったチーム全体が突如啓蒙される、といいますか。
あ、これか!と何かがチームの中でカチっと当てはまる
瞬間が来る、といいますか。そのための素地作りが
これまでにずっとなされてきた気もしますし。


こういうことは、ギリギリまで迷い悩み苦しんだ後
ある時、ふっと皆が全てを一瞬で理解する、
というような類のものだと思うのですね。


で、その時は近づいている、と。監督も、その時が近いと、
感じてはいるのではないかしらね。ので、しばらくは
目に見える結果が出なくても、香川選手が「活躍しない」
様々な形を、まだ懲りずに続けるだろうなと予想しています。



香川選手自身が求められる役割の変化を理解したと思しき今、
その変化を、周囲が理解しなければならないわけだけれど、
香川選手自身は、それを試合の中で示していくしかないのですね。
それが、監督の決めた制約の中で、中々実現しにくいことに
現在、苛立ちを思えているのだと思いますが、そこは監督も
承知の上なのではないかしら。


繰り返しになりますが、個人的にはですね、香川選手の
メンタルブロックは、「皆のために」の自己犠牲の精神
だと思っています。それを一度捨ててですね、
皆「が」自分のために、と思っているという認識を持って、
試合に臨んでみれば良いのではないかしら。


この際、皆が本当にそう思っているかどうかは
問題ではありません(笑)。意外とそう信じ込んでみれば、
実際そうなっちゃうものですし。そして、皆が自分の動きを見て
助けてくれることは、自身の活躍につながり、
自分の活躍は皆の活躍に繋がる、という思考回路にですね、
変えていけば、吉と出るのではないか、と。



地元紙の評価が低く、香川選手は不調だの云々という言葉を
目にするけれど、そもそも、それは高い期待の裏返しであり
求める要求が高いからなのではないかしらね。
他の選手たちの評価と同列に扱われがちだけど、本当は
「活躍」の評価基準の次元が違うのだと思います。



結局、監督の求めることが何であれ、それを自分なりに
体現できるようになれば、香川選手は、今よりも、
もう数段階高いレベルの(かなりすごいことになるけれど)
選手になるわけで、それは、自分自身の目に見える活躍と
周りを活躍させることと、監督の理想を体現することを
同時にこなせる稀有な選手になる、ということなのでは
ないかと想像しています。そして、それが、香川選手の
天賦の能力に沿った独自の「特性」なのではないかしらね。
香川選手以外にはなれない選手の形、と。


個人的には、現在の産みの苦しみを超えて、
そこまでたどり着いて欲しいと願っていますし、
案外ケロリとたどり着いてしまう気もします(笑)。
天賦の才は、本当は世の宝ですから、それを
持ち主自身が、5割くらいしか発揮しないで
満足してしまっては、よろしくないのですもの。



監督がどんな人物なのかは、評価の分かれるところ
でもあるのでしょうし、人によって捉え方も様々だと
思うのですが、やり方への賛否はあるにせよ、案外
見るべきものの本質は見えていて、実行に移せる
人なのかもしれません。


しかし、その化学反応が実際に起こり定着した時、
香川選手のイメージはすっかり「現監督の秘蔵っ子」
に変化するのでしょうし、チームカラーも、
現監督のイメージに一新されるのでしょうか。


それが意図的だとすると、色々恐ろしい人だなあ、
という気もいたしますが、結果、稀有な才能を
その所属集団ごと美しく開花させてくれるのであれば、
個人的には、賛辞の言葉しかありません(笑)。



と、他人の状況を思いつくまま自由に解釈してですね、
いつものようにさっと書き逃げをしようと思います。


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