Never again!

あっという間に夏が過ぎ、気づけばすでに4ヶ月が経っていました。
まだ気分は5、6月なのですけれども(苦笑)。


さて、今年の裏ブログはなぜかサッカー関連のことばかり書いていますが、
懲りずに今回も日本代表について書いてしまおうと思います。
W杯最終予選の初戦をやっと昨日見ることができて、
ううむ、と思ってしまいましたので。


ちなみに、この裏ブログでは一貫して現日本代表が
うまく機能しない要因を、本田選手という特異な存在を
内包していることに見ていますが、今回もそれに変化はありません。
悪しからず……。



今回、試合を見ていて改めて、代表チームという集団の中で、
本田選手はどういう存在なのかしら、と不思議に思わされました。
なぜ、同選手はこの集団ではこれほどまで自由に簡単に
自分のエゴを通せてしまえるのかしら、と。



現在、やはり代表で頼りになるのは本田選手のみ、という世の風潮ですが、
個人的には、実際は多分逆で、本田選手が、自らが活躍できるレベルまで
チームのレベルを引き下げてしまっている状態と考えています。


要は、同選手が試合中チーム内でリーダーシップを発揮し
自らが活躍できる状況を作り出せば出すほど、特に彼よりも
能力の高い選手たちは感覚とリズムを狂わされ、
チームは混乱させられ、結果、全体のレベルは
下げられてしまうのではないかしら、と思うのですね。
故に、本田選手のみが目立つ、もやもやとした試合になる、と。



で、本田選手特有の強い意思の力の他に、この集団の何がそれを
可能にさせてしまっているのかなあ、と不思議になりました。


集団内では今でも日本での名声に見合った実力の持ち主と
認識されているのかしら。それとも単純な体育会系の
上下関係の問題かしら。それとも、選手としての
能力云々よりも、人として純粋に尊敬されているのかしら。


どちらにしても、集団が本田選手に、試合中も集団の中心として
振舞うことを許してしまっていた感じ。そしてそれは、同選手の
「選手としての」能力を超えた権限のように感じるのですね。
……もしかして、監督がそうさせているのかしらね?



とにかく試合を見る限り、素人の目には本田選手の独特の動きは、
チームをうまく機能させるよりも、むしろ前線の3選手と
後方の選手とを分断させてしまっていたように見えたのですよね。


本田選手が、前線に来るほとんどのボールの受け手になること、
サイドから中に入り込み、指示を出し、ボールを欲しがり、
攻撃組み立てのイニシアティブをとることで、スピードが殺され、
攻撃の幅が狭まり、いろいろ行き詰まった感じで、攻撃の他の3選手が
孤立し試合に入っていけない状況を多く作り出していた感じ。



こと前半は3人がほぼ仕事をさせてもらえていませんでしたが、
相手チームによってブロックされていたというよりも、
日本チームによって試合に入らせてもらえていなかった気がします。


なんと言いますか、窮屈そうにしていて、言葉は悪いですが、
相手選手の他に、本田選手という妨害が、特に中の攻撃陣の周囲を
常にウロウロしているような印象で、その活動範囲と自由を
潰してしまっていた感じ、でしょうか。


本田選手は、実はチャンスを作り出すのが上手いのではなくて、
得点チャンスを作り出しそうな人と場面を嗅ぎつけるのに
長けていると個人的には考えていますが、それをわかりやすく
体現していた気がします。



が、例えば数場面先の状況を想像し臨機応変に攻撃を組み立てられる
能力に長けているわけではなく、プレーが高度かつ早くなればなるほど、
的確に攻撃に加わることができなくなるのだと思います。
実際、組み立てられた決定的な得点チャンスを、多分彼が他の攻撃陣と
イメージを共有できなかったことによって逃してしまった場面が
後半にありましたが、個人的にはあれが今試合最大のもったいないミス。


もしかして、他の攻撃陣にしてみれば、無視できないほどに
自らの存在を主張するけれど、攻撃の組み立ての中に入れると
能力的についてこれない、という感じなのではないかしら。



あれは、攻撃陣にとってはフラストレーションが溜まり
リズムが徐々に崩されてしまう要因となると思いますし、
そうだったようにも見えたのですが、どうなのかしら。
実際の所、3選手は、本田選手と一緒に試合をすることを、
どのように感じているのかしら。やりにくいとか、
率直に邪魔だな厄介だなと感じてはいないのかしら。



エース番号を背負っていることもあり、香川選手が
活躍できなかったことがクローズアップされていますが、
今回は3選手とも同様に居場所とリズムを失っていたと思います。


3選手とも、レベルの高いリーグの上位のチームで試合を
終えてきたばかりですから、やはり他の選手たちとは、
現在、肌感覚を含めかなりの能力差があり、調整するのは
かなり大変なことなのだと思います。


今回は、きっと色々な意味でそこを繋ぐ人がいない状態だったのですよね。
なので、後方の選手たちは単純に我の強い本田選手の動きに
引きずられてしまったのでしょうか。7番の選手には、色々
荷が重すぎたのかも知れませんし、両サイドバックの選手たちも
今ひとつ役割を果たしたようには見えませんでしたし……。
個人的には、17番の選手も無難なバランサーすぎると思っていますので。


もしかすると、チーム内選手間のレベルに差がありすぎるところに、
本田選手の独特の能力が発揮されやすい基盤があるのかもしれません。



何度も書いていますけれど、本田選手が活躍出来るレベルで
やっていては、どこにいても勝つことは難しいと思うのですね。
彼が入っていくことができないくらいのレベルで試合をして初めて、
例えば、前線の3選手などはのびのびと試合ができるのだと思いますし、
それがやはりチームとしての結果に結びつくのだと思います。


監督にはそのあたり、どう見えているのでしょうか。
「選ぶ選手を間違えた」「プレースピードが落ち、
香川選手を見つけられなかった」の言葉の意図は誰に向けられ
どこにあるのかしら、と興味深く本日の試合を見守ります。



それと、特に香川・清武両選手にとっては、本当に今が
選手としての未来を決める正念場の一つと思っています。


もちろん、本田選手にとっても、代表での活躍が選手として
唯一残された、彼の野心が望む華やかな道で、故にいつも以上に
強い意志で自分の居場所を勝ち取ろうとしているのかな、とも
思いますが、彼はもう十二分に本来与えられるべき以上のものを
代表という場から奪い取っているのではないかしらね。


このW杯は、本田選手ではなく他の優秀な選手たちの
ものとなるべきと、個人的には思っています。


もし香川・清武両選手が、次試合も同時に試合に出るのでしたら、
自分たちの手でもう少し周囲を巻き込んで、自分たちの手に、
チームを取り返して欲しいです。一ファンとしては、また
ワクワクするような代表の試合が見たいのですよね。
それには、代表チームが、本田選手という存在から良い意味で
解放されることが必要と、個人的には信じて疑いません。


必要があるならば、もう俺たちの邪魔をしないでくれ、と
ガツン、と示してほしいです。……岡崎選手が、
年齢的にも実績的にも、現実をチーム内に取り戻せる鍵を
握っていそうな気もするのだけど……。そっと期待しておきます。



明日、『本田選手は存在感を見せつけるも予選敗退濃厚!』
という記事を読みたくないなあ、と願いつつ、
せめて期待をかける選手たちへの応援を兼ねまして……。


Players