次段階

最近楽しみにしているのが、香川選手の試合です。
今回も、先週末の試合について、思ったことを書いて
しまいますが、完全に妄想モードです(笑)。


……まあ、事実は結局当事者にしかわからないものですし、
当事者にだって、当事の間は案外わからないものですし、
かつ、何しろ個人的裏ブログですから、
個人的妄想を書いても許されるのではないかと。


と、潔く言い訳をしたところで(笑)、早速。



なんと言いますか、監督の意図と選手たちの理解の間に
深い溝がありそうで、集団や人間関係というものは、
本当に興味深いなと、しみじみ思ってしまいました。


で、見る側としても、考え方をこの辺りで一度
まとめ直してみた方がいいかしら、と思ったのですね。



という訳で、まずは、これまで通り、監督の目標とする
チーム戦術が「アメーバ的な」もの、それを一番理解
できているのが、現状、香川選手、かつ、監督の
「アメーバの核」候補筆頭も、現状、香川選手だと、
独断的に仮定して、話を進めてまいります。



現監督はこれまで、自分の理想とするチーム戦術作りと、
それを体現する選手の育成を、ほぼ同じ重要度で、並行して
行ってきていると思っていますが、監督の目指すものの
青写真が、ここに来ても大部分の選手たちに伝わっていない
ように見えるのですよね。で、そもそも監督には、それを
選手たちに伝える気がないのかも、と思うようになりました。


香川選手は、多分視野が広く、監督の意図が読み取れるのに
加えて、その中で自分に課されているだろう役割を理解して
素直にそれを体現しようとしているように見えますが、
他のメンバーはそこまで繊細には考えていない気がします。
むしろ場当たり的に力技で課題に適応してきている、と。


……ちなみに、それ故に、監督からの信頼度という
観点から見れば、派手な活躍はしていないものの、
現状でも香川選手は、まだ他の選手よりも一歩
リードした位置にいるのではないかしらと勘ぐっています。



話が逸れましたが、戻しまして、これまでの流れを
まとめるとこんな感じかしら:



1.そもそも選手たちは監督が目指している形を知らないし
分からない。


2.選手の多くは、取り急ぎ目の前の課題に対応・適応。
(そういうスタイルが嫌で、チャンスがあった人々は脱出。)
香川選手は、監督の意図と全体図を把握して色々試行錯誤。


3.監督は与えた課題がクリアされたと確認できた段階で、
「じゃ、次これ」ともう一段階先のことを予告なく試す。


4.上記2に戻る。



これが、監督就任以降これまでチームが主に
経験してきた選手育成中心の螺旋上昇型ループ、と。


今までは、ある意味これで順調に来たのですよね。
甲斐あって、こと、香川選手が、現在、戦術の
中核候補として、しっかり準備が整った状態に
なっているのではないかと、個人的には思っています。



が、同時に、多分上記育成過程構造の弊害で、実践に
直結する部分で、この集団には問題が生じているのでは
ないかしら。どうも集団内の序列がぐちゃぐちゃのままで
しかも戦術との矛盾があるように見えるのですね。
で、この部分が整っていないことが、現在、チームが
試合中に機能しにくい大きな要因になっていると思うのです。


何しろ、特に現監督のアメーバ戦術(仮称)の実現のためには、
「集団の序列=現場の指揮命令系統が整っていること」
が多分不可欠。ですので、今必要なのは、何よりも
この部分の整備なのではないかと思っています。



例えば、香川選手。


アメーバ戦術(仮称)は、中核選手(=香川選手)が
集団の序列で、明確に最上位にいることで機能すると思うのです。
戦術の要となる選手に必要なのは、試合中、チームメイトを
自分の意図通り動かせる力で、その為には、チームメイトに
一目置かれている存在でなければならないわけですもの。


が、現在の香川選手は、集団内では、比較的目立たない
潤滑油として働く人、の位置にいると思うのですね。
また、昨年から続くこれまでの「育成過程」での
扱われ方の弊害で、現在、選手間でも特に新人・若手からは
あまり重要視はされていない状態と思います。


集団で、この立ち位置にいては、いくら監督が
戦術上、香川選手+チームの大化けを期待しても、
物理的に実現は難しいと思うわけです。



問題は、どうも現監督自身がその辺りを認識していないと
思しきこと。


選手をチェスの駒に例えますと、どの駒をどうトレーニングして、
どんな駒に鍛え上げていくか、という部分に関しては秀逸だけれど、
「チェスの駒」を演じる人間の集団をどうコントロールするかは
良く分かっていない、という感じ。
そもそも、そこに違いがあることが分からない、といいますか。
先日の試合も、監督としては駒を揃え、満を持して挑んだつもり
なのではないかしら。ので、どうしてうまくいかなかったのか、
全く理解できていない状態かもしれません。むしろその原因を、
選手たちの経験不足と、本気で思っていそうです。



優れた指導者ではあるけれど、優れた指揮官ではない、という
ことになるのかしら。前監督が優れた指揮官でもあったから
比べられて気の毒ではありますけれど。



また、通常、一つの目標の下に集まった集団の内部の人間関係や
序列は、時間と共に自然の流れの中で徐々に定まっていく
ものと思うのですが、現在このチームでは、その
自然の序列も作られにくい状況なのではないかと思います。


統率者である監督が「戦術」と「集団」の違いを全く
認識していないために、戦術上目指しているアメーバ的な
取りとめのない形が、そもそもの集団の存在形態にも
影響を及ぼしてしまっているのかもしれません。



ええと、仮に舞台で例えますと、役柄上の人間関係と
役者同士の人間関係って、当然違いますでしょう?
物語の複雑な人間関係を舞台上で表現するために、
役者同士の人間関係が同様に複雑である必要はないわけです。


サッカーですと、ポジション名が役名のようなもので、
それぞれの働き(=役柄上の性格)もポジション毎に
定まっている感じなのかしら。が、そのポジション名と
通常それに付随するはずの働き(=性質)が、現監督の
戦術の中では、合致していないように感じます。
ポジション名などあってないようなもの、といいますか。


ですから、集団の構成員たちも自分の「サッカー選手」としての
アイデンティティを持ちにくい状況なのではないかしらね。
それが「集団」のアイデンティティ(序列)をも、
定まりにくくさせているような。



が、戦術上「個々のキャラクター設定」を
曖昧にするのであれば、選手同士の関係性と序列は
通常よりもさらにはっきりさせておかなければ。
しかも、戦術に適した序列で、です。


そこを監督自身がよく分かっていないところに、現在の
同チームの迷走が起因している気がしてなりません。



個人的には、香川選手が然るべき立ち位置に戻る為には
やはりサッカーの能力で、あ、この人すごい人だ、
と周囲に肌で悟らせることが手っ取り早い気がします。
そのために、一度、戦術の縛りから解放され、
ピッチ上で自由に動いてみる必要があるのではないかしら。


……が、またそこが現監督の下では難しそうで、
ちょっと八方塞がりな気も致しますけれど(苦笑)。



現監督は、指揮官としては、中々難しい人なのだと思います。
賛同される方は大変多いはず。神経質、机上の論理による
完璧主義者、で、自分の持ち駒(選手)に勝手に
リーダーシップをとられるのが嫌、といった印象。
自主性を重んじず、自分の計画通りに進めていきたい、と。


ただ、こういう指揮官を冠した集団の「リーダー」には、
そもそも香川選手のような、キャプテン然としていない人が
最適なのだと思います。もしかして、前キャプテンは、
キャプテン然としたキャプテンすぎて、監督の性質とは
合わなかったのではないかしらね。なので、本当に
全ての駒は適材適所で揃っていると思うのですけれど。



いっそ、「監督の戦術を今後忠実に実現するための布石」という
名目で、一度監督から許可をもらった上で、一試合
自由にプレイをさせてもらう、というのはどうかしら。
案外、一石二鳥でうまくいきそうな気もします。


そもそも、監督がやりたいだろう事を最も理解しているのが多分
香川選手で、しかも監督に欠落している「机上の論理を実践に移す」
能力の塊のような人なわけですし、自由にやらせてもらえれば、
結果的に監督のやりたい形になるはずなのですよね。
そこに、監督が気づくきっかけがあればいいのですもの。



最終的には、周囲に「あ、ピッチ上にこの人がいる時は、
とりあえず言うこと聞いといた方が、俺の身安泰」と
思わせるような、監督には「あれの動きは俺の戦術の体現」と
思わせて自由に動き回らせてもらえるような立ち位置に
行く必要がある、と。言葉は悪いけれど、犬の集団の
序列のように誰が上かをはっきりさせておくのですね。
集団というものは、そういうものですし。


監督にとって、この人がいないと自分の監督業立ち行かない、
と言うくらいの立ち位置。
選手にとって、この人に好かれれば監督に好かれる、
と思われるくらいの立ち位置。
香川選手が、そういう立ち位置にいた方が、
この集団は確実にうまくいくと思うのです。


実際そうなったところで、香川選手自身はあくまでも
「今のまま」の人だと思うのですね。単純に、集団での
立ち位置が変わるわけです。が、それが必要、と。



この集団に、今欠けているのは、その辺りの
戦術に適した集団の序列と規律だと思うのです。



で、現監督のような人がこの集団の構成員で成功を収めるには、
実は香川選手のような人の助けが必要なのではないかと思います。
そこを、うまく監督のプライドを刺激しないような
形でどううまく助け舟を出すか、と言いますか。
ここまでは、監督が香川選手の成長を操っていたけれど、
ここからは香川選手が、監督の成功を助けなければ
いけない状況なのかもしれません。


少々面倒くさい人のようですので大変だけれど。
それだけ愛情も深いのかもしれませんし。
まあ、前監督がお父さんなら、現監督はお母さんと
公平な気持ちでいれば、うまく行く気も致しますし。



と、思いつくまま勝手に書き綴ってまいりましたが、
眠気と戦いながら書いているので、
かなり支離滅裂になっている予感(笑)。



この妄想にどれだけの真実が含まれているのかは
わかりませんが、何はともあれ、香川選手とチームに
とって、全てがうまく回っていきますようにと願いつつ
もうこのままアップしてしまおうと思います(笑)。




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