無題

先日の、今年最後の代表戦、楽しみにしていた試合でしたが、
やはりオマーン戦に引き続き、何とも奇妙な観戦後感でした。


同じように感じた人はいるかしら、と何となく
試合が終わってから、軽くネットサーフィンなどを
してしまったのですが、人々の感想が、個人的に
受けた印象とあまりに違いすぎてびっくり。
ううむ、そうか、世間の目にはそう映るのねえ、と。


でも、見ているものは同じなはずですから、
どの視点で見るかで、変わってくる感じかしら。


で、個人的視点からの感想を、思いつくままに
書きなぐってしまいます(笑)。



率直な試合後の感想はですね、監督は、よほどのことがない限り、
今後本田選手を代表に呼ばないつもりではないかしら、です。


先発起用はもうないのかということが議論されがちだけど
そもそも、今後これまでのように無条件で呼ばれることは、
もうないような。そんな雰囲気を個人的には感じたのですよね。



現監督は、心のケアを含め選手の扱いには手厚いけれども、
同時にかなりの現実主義者である気がします。


で、本田選手の選手としての存在の質・意義・価値を、
長い間案外冷徹に、かつ慎重に見極めてきていて、
もう最終結論が出ているのではないかしらと思います。
で、それは生半可なことでは覆らない、という感じ。
(と個人的には思っています。)


その見極めの基盤となったのが、オーストラリア戦で、
やはりあの試合で、色々なものが明確になったように
想像しています。オマーン戦は、その確認、
で、先日の試合では、本当に色々なことを決断し試した、と。



勝つのは勿論のことですが、先日の試合の、監督の
最大の思惑の一つが、本田選手に最大の敬意を払う
+周囲を納得させる形で引導を渡す、だったの
ではないかしら、と個人的には思っています。


振り返ってみますと、前半1点リードしていたこともあり、
後半開始直後の投入は、最後の最後に与えたチャンス、
もしくはこれまでの功労を讃える花道、といった感じの
起用だったようにも感じたのですね。



で、ふと色々なことが腑に落ちた気もしました。
個人的に、今回の香川選手の扱いがどうなるのかにも興味があり、
後半始めから本田選手が出た時点で、結局本田選手抜きで
香川選手を試すことはしないのねえ、とため息でしたが、
試合を見終わって、ふと、あ、逆かな、と感じたわけです。


相性が良いわけでもなさそうなのに、なぜ同時起用され続けるのか
疑問(+不満)でしたが、そうではなく、今は、本田選手が
出る試合の、リスクマネジメントに香川選手が使われているのかなあ、と。
特に今回は、本田選手を出すというリスク(賭け)をカバーする
意味合いでピッチに送り出されたのではないかなあ、と。
多分、香川選手は「計算のできる選手」なのですよね。


ということは、監督は、すでにきちんと二人の選手の
正確な「査定」を終えていた、ということと思いまして、
以下、監督目線で色々想像してみました。



個人的には、今回の招集にあたって監督が最も腐心したことは、
この二人の扱い方、特に本田選手をどう扱うか、だったのだと
考えています。


他に選手もいるわけだし、他に問題もあるわけだし
この二人のことだけを考えているわけないじゃん、
という声が聞こえてきそうですが、個人的には、
それでもメインの葛藤はそこだったと思うのですね。



集団に複雑な問題が起こっている時、問題の核になる
部分を解決してしまえば、他の問題は自然に解消されて
いくものなのだと思います。堰き止めている障害を取り除けば、
水が自然に流れ始めるように、ですね。
今回のことが良い例だと思います。


で、個人的に一貫して日本代表がうまく機能しなかった理由を:


 1.特異な存在を内包していること
 2.アイデンティティのねじれ


に見ています。特異な存在というのが本田選手、
アイデンティティのねじれというのは、
特異な存在が集団内に引き起こす歪みで、
具体的には、本来香川選手のいるべき立ち位置に
本田選手がいることで起こる不具合のことですね。
そもそもこれが、この2選手が常にセットで
捉えられてしまう要因でもあるのですよね。
(個人的には、本田選手の特異な能力は、
人並みはずれた思い込みと意志の力と思っています。
ご興味のある方は、こちら→)



監督も、そのことには薄々気づいていたのではないかしらと思います。
で、これまで集団と2選手を、じっくり観察・解釈してきた、と。


本田選手の選手としての能力の限界には、案外早い段階で
気づいていたのではないかと思いますが、特殊な能力については、
丁寧に時間をかけて見極めていたのだと思います。


記事の受け売りですが、監督の言葉で言うところの
「多くの経験と存在感(でしたっけ?)」でしょうか。
その能力を活かす方法を試したことも、少なからずあったと
思いますし、同時に、監督は本田選手を本大会では起用しない
つもりではないかしら、と感じたこともあり、本当に
色々見極めようとしていたのだな、という印象。



最終的には同選手をこの時点で集団から外すことをが最良と
決めたのではないかしら。以降は、諸々に渡る日本独特の
「変化を嫌う体質」と駆け引きしながら、いかに余計な
悪影響を集団におよぼすことなく同選手を
集団から外していくか、に腐心してきたように感じます。


で、オーストラリア戦から先日の試合までの一連の流れを経て
問題点1を解消した、という感じでしょうか。



が、個人的にスッキリしないのが、2の解消。
これは、監督の中では、きちんと整理されて
いると思うのですが(故に1が解消されたわけですから)
対外的な部分の対応は後回しにされた気がします。


1さえ解決すれば、そのうち徐々に解決されていくと
考えているのだとも思いますが、香川選手を新しいメンバーと
同時に起用して、1と2の同時解消を図るという方法も
あったと思うのですね。


今回、そのオプションが選ばれなかったのは、運でしょうか。
今シーズン、個人的には香川選手自身が不調だと感じたことは
ないので、今、このタイミングで怪我明けだったという不運ですね。
怪我明け+他の選手が好調という中で
無理をする必要はなかった、という感じ。


で、対戦相手との駆け引きもあって、ジョーカー的+
リスクマネジメント的な起用のされ方をしたのだと
考えていますが、他にも1の解消に伴う思惑もあったかしら
と思っています。勿論、他の選手の調子が良かったから
可能だったことではありますが、「本田選手」を
なるべく森の中の木にするために岡崎選手とともに
先発を外された気もするのですよね。



こんなことでどうにかなるような選手ではない、と、逆に
能力を認められているようなものですし、こういった起用の
され方をしてるからには、監督の信頼は厚いのだと思います。
それでも、今回は、香川選手にも、公平なチャンスを
与えて欲しかったな、と個人的には思っています。


監督が同選手の能力と人の良さに甘えている気もしますし、
同選手自身に、自己を犠牲にすることを
容認してしまう要素があるようにも見えるからでしょうか。
そういうところも含めまして、今回のチャンスは、決して
譲らないでほしいな、と思っていたのですよね……。



外部の持つイメージなど、取るに足らないことですし、
それに香川選手が影響を受けているようにも
見えませんが、それでも同選手は、そろそろ、ひたすら
泥を被る役目から解放されて良いと感じます。


今回も、同選手がピッチに入った時、個人的には
やはり守備に無駄がなく、集団の空気感が変わったなと
感じましたし、特に調子が悪いようにも見受けられず、
これまで同様に与えられた役目をきちんとこなしたように
見えました。2点目が「たくさんあったチャンスのうちの一つ」
になってしまわなかった理由も、香川選手の好アシストです。
が、今回の試合における貢献を全く評価していない人が
多いことにびっくり。


(海外のメディアなどで、インテリジェントで華麗な
アシストなどと紹介されでもすれば、またころっと
評価も変わるのでしょうけれど(苦笑)。)


不調というレッテルが、何をしてもつきまとっている感じ。
まあ、注目・期待されている証ではあるのですけれど。



ただそろそろ、もっと対外のイメージを正当なものに
する方向にも大切にされて欲しいですし、
香川選手自身にも、きちんと自分を活かす権利を
主張してもらいたい気もします(苦笑)。



救いは、所属チームの監督が、外部の評価に全く
影響を受けなさそうなところと、捻くれていそうな
ところかしら。ここまで、実際の貢献と評価とが
見合わない状態になっていると、逆に厚遇に
期待が持てるのかもしれません(笑)。


……そういえば、ふと、すごいな、と思ったのは、
今後、クラブチームでの香川選手の大活躍があったら、
その時には、多分すっかり「現監督の選手」というイメージに
なっているだろうこと。やはり、色々な思惑も消化・吸収し
自分を進化させて一段も二段も階段を上がっていると感じます。



と、気づけば、なんだかよく分からない内容に
なってきましたので、この辺りで潔く止めておきます(笑)。


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